2023.04.18
-ヒューマナライズマーケティング研究室 浦川 欣丈(うらかわ よしひろ)
一度入社した会社で定年まで働くことが一般的だった時代は遠い昔のこと。現在は従業員が退職・転職することは特別なことではありません。厚生労働省の「転職者実態調査」によると、年代によってその傾向は異なるものの一生のうちで転職する回数は約3回。退職や転職があるなら、再入社があってもおかしくはないはずです。
ペンシルでは働き方の多様な選択肢を導入し、個々人にあった魅力的な職場環境を整備しています。今回は一度退職後に再入社を可能にする「おかえりなさい制度」を活用して、以前にも増して活躍するヒューマナライズマーケティング研究室の浦川に、制度を利用した経緯、仕事や会社への思いをインタビューしました。
(*インタビュー内容は取材当時のものです)
最初に入社したのは今から8年ほど前のことです。入社前、SEの仕事をしていたため開発に興味があって入社を希望しましたが、縁あって希望とは別のアクセス解析や顧客分析などデータ分析業務を行うヒューマナライズマーケティング研究室で働くことになりました。ヒューマナライズマーケティング研究室は現在も所属している部署ですが、4年ほど在籍しました。
当時は特別数字や統計に強かったわけでも得意だったわけでもなく、担当している業務にあまり自信をもてないまま働いていたようなところがありました。それで、やっぱりもともと目指していた設計や開発の仕事に携わりたいという思いが強くなったので、退職を決意しました。一度、環境をがらっと変えてみたいという気持ちもありましたね。
SNSアプリを展開する大手企業のQAエンジニアチームです。QAというのはいわゆる品質保証の意味で、仕様に沿った動作の確認や製品の品質管理を行う仕事です。QAエンジニアだけで100名くらいいるような大きなチームですが、予想していたよりも仕事の幅は限定されていて、どちらかというと決められた仕事をこなす毎日でした。何か提案型の仕事ができるかというと、そういう機会はほとんどなく、少し物足らなさを感じていたというのが正直なところです。
ペンシルにいた頃は、データ分析等の仕事の合間に業務に役立つツールを開発して、部内のメンバーと共有するようなこともよくあって、やりたい仕事を自分でみつけにいくような自由な社風を思い出すこともありました。
ただ一年という短い期間ではありましたが、大手企業のメリット・デメリットなども実際に経験することができて、大変勉強にはなりました。
もともと会社が嫌で辞めたわけではなかったので、退職後も元上司とは連絡を取り合っていたし、チームのメンバーともいい関係が続いていて、ときにはカレーの食べ歩きを共通の趣味とする後輩と一緒にカレー屋に行くような交流がありました。そんなときには会社の様子を聞いたりしていたので、ペンシルのことをそれほど遠く感じることもありませんでした。
ペンシルに再雇用の「おかえりなさい制度」があることは以前から知っていたので、あるとき自分から元の上司に「戻っていいですか?」と聞いてみたところ、こころよく「ちょっと聞いてみる。」と言っていただき、再度の面接を経て復職が決まりました。
復職したのはちょうどコロナで緊急事態宣言が発令され、世の中が在宅勤務をしていた時期でした。ペンシルの場合も部署ごとに分散出社だったので、社内でもあまり目立たなかったというか、すんと自然に戻ったように思います。部署のメンバーは離れていた期間が1年ということもあって、長期休暇から戻ったような感覚で「おかえり。」と言ってくれ、自分ではウェルカムな感じに受けとめさせてもらいました。
前とは別の仕事です。もともと担当していたデータ分析などクライアントの案件業務は全体の半分以下の割合になり、ヒューマナライズマーケティング研究室内の特殊研究機関isチームに所属して、実験や研究の仕事をメインに担当しています。なので、週のうちほとんどは2022年4月に開設した研究所genieにいます。最初戻ったときには「妖怪」を研究していると聞いて、転職先での定型業務とのギャップに戸惑いもあったのですが、これがペンシルだったなと、すぐに懐かしい気持ちに変わりました。
研究機関isチームでは、所属する4名がそれぞれテーマを持ち二人一組で実験や研究を進めています。自分が担当しているのはメタバースについて。独自のVRアプリを開発して、ARやXRといった仮想空間での心理状態など様々なアプローチで、メタバース世界の可能性を探求しています。自分で勉強しながら個々人の興味を突き詰めていくスタイルの業務は大変なところも多々ありますが、革新やわくわくの入り混じった好きな業務で今は満足しています。
GenieではVRゴーグルをつけて動き回っていることもあるので、他部署のスタッフのみなさんがみたら「何やってるんだろう」と思われるかもしれません。将来的にはペンシルのコンサルティングサービスの独自性に役立つ、技術力の幅を広げるための研究だと捉えています。ただ、一見すると遊んでいるようにみえる仕事をしていても認められるのが、ペンシルのいいところであり、ヒューマナライズマーケティング研究室の仕事の醍醐味だと思っています。
自分が利用したからいうわけではありませんが、いい制度だと思います。上司や同僚のみなさんにご迷惑をかけてしまったという点では申し訳なかったと思っています。ただ、違う場所で一度リセットし、自分の仕事や自分自身を見つめ直すことは自分にとってとても重要な機会でした。
日本には昔から一回決めたことは最後までやりきるという文化があって、それを否定する気はありませんが、今の時代、柔軟な考え方や流動的な生き方が尊重されることがあってもいいのかなと思います。ペンシルはそういう会社ですね。自分の働きやすい、ここちよくいられる場所で、個人の力を十分に発揮できるのはとてもハッピーなことだと考えています。
退職者が再び働くことのできる環境をつくる「おかえりなさい制度」は、これからさらに少子高齢化が進み、労働力不足が加速していく日本において、企業側と復職者双方にメリットのある制度といえます。企業にとっては既に自社の企業理念や文化を理解している人材なので、入社後のミスマッチもなく、採用や教育時間の短縮が可能です。また、復職者は一度他社を経験したことで、自社を客観視でき優れた点を再認識することで、今後のモチベーション向上やイノベーションにつなげることができるのではないでしょうか。
ペンシルではスタッフがここちよく働くことのできる環境づくりを目的に、さまざまな取組みを進めています。今後とも全員のための大きな制度ではなく、一人ひとりにあった多様な働き方を提供することで、多様な人材が活躍できる環境整備を進めて参ります。
株式会社ペンシルは、企業のウェブ戦略を成功に導く研究開発型のウェブコンサルティング専門会社です。独自の視点から実験や研究を重ね、研究結果によるノウハウをもとにクライアント企業のウェブサイトを分析し、ウェブからの売上や成約をアップさせるためのコンサルティングを実施しています。ウェブサイトの目的と目標を明確にするコンセプトワークから、アクセス分析、マーケティング、競合調査、企画提案、ウェブサイト制作など、ウェブサイトの入口から出口までを総合的に支援しています。ペンシルは「インターネットの力で世界のビジネスを革新する」を企業理念に掲げ、常に新しいインターネットの可能性に向けて挑戦を続けています。
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